費用データ 一次情報の再構成

ウレタン防水とは?屋上での特徴とメリット・工法の種類

公開 2026.08.10 マンション修繕白書編集部

マンションの屋上でよく選ばれる「ウレタン防水」がどんな工法かを、専門用語をできるだけ避けながら整理します。工法の種類と、大規模修繕全体の中での防水工事の位置づけもあわせて確認します。

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて硬化させ、継ぎ目のない防水層をつくる工法です。マンションの屋上でよく選ばれる工法のひとつで、複雑な形状の部分にも対応しやすいと説明されることが多い工法です。

この記事では工法の特徴と種類を整理します。個別の建物にこの工法が適しているかどうかの判断(診断)は行いません。それは建物ごとの劣化状況を確認したうえで判断する専門家の領域です。

ウレタン防水はどんな工法か

シート状の材料を貼り付けるシート防水や、アスファルトを溶融させて重ねるアスファルト防水と違い、ウレタン防水は液体の状態の防水材を刷毛・ローラー・吹き付けなどで塗り重ねていく工法です。硬化すると弾力のあるゴム状の膜になり、これが防水層になります。

塗って重ねる工法であるため、出隅・入隅や配管まわりなど、形の複雑な部分にも防水層をつくりやすいという特徴が一般的に挙げられます。仕上げには紫外線や摩耗から防水層を保護するトップコートを塗るのが一般的です。

この記事で示せる数値、示せない数値

工法の一般的な特徴は、公開されている技術情報の範囲で整理しています。一方でウレタン塗膜防水の㎡単価・歩掛り(施工にかかる人工数)は、当メディアが参照した公共歩掛り資料(第9節 防水)に収録がありません。費用の考え方は別記事「ウレタン防水の費用相場」で扱います。

主な工法の種類

ウレタン防水は、下地とどう密着させるかによって、大きく2つに分けて説明されることが多い工法です。

工法下地との関係向いているとされる下地
密着工法防水層を下地に直接密着させる下地が比較的健全で、水分の影響を受けにくい場合
通気緩衝工法(絶縁工法)下地と防水層の間に通気シート等を挟み、水蒸気の逃げ道をつくる下地に水分が残りやすい・既存防水層の劣化が進んでいる場合

どちらの工法が適しているかは、下地の状態を確認したうえで判断する事項です。この記事では工法の一般的な違いの整理までに留め、個別の建物への当てはめは行いません。

屋上で選ばれる理由として挙げられること

一般的に、ウレタン防水が選ばれる理由として次のような点が挙げられます。あくまで工法としての一般的な説明であり、すべての現場に当てはまることを保証するものではありません。

  • 液体を塗り重ねる工法のため、継ぎ目のない防水層をつくりやすい
  • 出隅・入隅、配管まわりなど複雑な形状にも対応しやすい
  • 既存の防水層の上から重ねて施工できる場合がある(改修工法として選ばれることがある)
  • 部分的な補修がしやすいとされる
この工法が適しているかどうかは診断が必要です

下地の状態・既存の防水層・建物の使われ方によって、適した工法は変わります。「この建物にはこの工法が正しい」という個別の診断は、この記事の範囲外です。修繕委員会や管理会社を通じて、専門家に確認する事項になります。

大規模修繕の中での防水工事の位置づけ

建築系工事の合計金額に対する各工事の内訳(全体・n=818)
01020304050外壁塗装24.5%床防水18.6%屋根防水13.4%外壁タイル12.9%シーリング工事12.0%鉄部等塗装7.4%建具・金物等7.4%共用内部3.7%

出典令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省・集計対象 n=818)(国土交通省の公表データを加工して作成・建築系工事の内訳(全体))

国土交通省の実態調査(令和3年度・集計対象818件)によると、大規模修繕の建築系工事の合計金額のうち、屋根防水・床防水・シーリング工事を合わせるとおよそ4割前後を占めるという構成になっています。外壁塗装に次ぐ規模で、防水まわりの工事は大規模修繕の中でも金額の比重が大きい部分です。

ウレタン防水は、この屋根防水・床防水で選ばれる工法のひとつです。工法ごとの内訳までは今回の実態調査データには含まれていないため、「屋根防水・床防水の中でウレタンがどのくらいの割合か」までは示せません。詳しい内訳は大規模修繕の実態データで確認できます。

費用・耐用年数は別の記事で

工法の特徴が分かったところで、多くの理事・修繕委員が次に知りたくなるのは費用と耐用年数だと思います。この2つは別記事で扱っています。

よくある質問

ウレタン防水は屋上以外にも使われますか。

一般的にはベランダ・バルコニーなどの床の防水にも使われる工法として知られています。この記事は屋上での特徴に絞って整理しています。

ウレタン防水の耐用年数はどのくらいですか。

別記事「ウレタン防水は何年もつ?耐用年数と経年劣化のサイン」で扱っています。当メディアの一次データ資産には工法別の耐用年数を示す数値が含まれていないため、点検・保証内容の確認を軸にした整理にしています。

費用の目安はどこで確認できますか。

別記事「ウレタン防水の費用相場は平米いくら?」、および労務単価データベースで確認できます。工法別の㎡単価データそのものは、当メディアの一次データ資産にはまだ収録されていません。

LIMITS この記事で扱えない範囲

  • この記事はウレタン防水という工法の一般的な特徴を整理するもので、個別の建物にどの工法が適しているかを判断する診断ではありません
  • ウレタン塗膜防水の㎡単価・歩掛りは、当メディアが参照した公共歩掛り資料(第9節 防水)に収録がなく、この記事では扱っていません。費用の考え方は別記事で整理しています
  • 製品ごとの性能差(硬質・軟質、通気緩衝工法の有無等)は、個別の製品情報ではなく工法としての一般的な整理に留めています

書けることだけを並べても判断は早くなりません。この記事が扱えない範囲を先に示しています。

参照した資料

資料令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省・集計対象 n=818)(国土交通省の公表データを加工して作成)

資料公共建築工事積算研究会「参考歩掛り」第2編 建築工事 第9節 防水(RA-27〜RA-31)(アスファルト系防水・シーリングの歩掛りを収録。ウレタン塗膜防水は本節に収録なし)

#ウレタン防水#工法解説#屋上防水

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