費用データ 一次情報の再構成

ウレタン防水の費用相場を見る前に確認したい単価データと内訳

公開 2026.08.10 マンション修繕白書編集部

「ウレタン防水は平米いくら」という単価表は、この記事では示していません。かわりに、費用を構成する要素と、公開データから確認できる範囲を整理します。

先に結論を書きます。ウレタン塗膜防水そのものの㎡単価データは、当メディアが今回整理した一次データ資産には含まれていません。この記事で示せるのは、費用を構成する要素と、大規模修繕全体の中での防水工事の規模感です。「平米いくら」という単価表を探している方には物足りない内容かもしれませんが、書けない数値を書かないという方針でこの記事を作っています。

この記事で示せる数値と示せないもの

示せる/示せないの整理

示せるもの: 防水工の公共工事設計労務単価の推移(都道府県別・年度別)、大規模修繕全体に占める防水関連工事のおおよその規模。示せないもの: ウレタン塗膜防水固有の㎡単価・歩掛り。参照した公共歩掛り資料(第9節 防水)にウレタン塗膜防水の仕様が収録されていないためです。

費用を構成する要素

防水工事の費用は、おおまかに次の要素で構成されます。

  • 材料費(防水材・トップコート等)
  • 労務費(施工する職人=防水工の人件費)
  • 仮設費(足場等。屋上単独の工事では別途手配になる場合とならない場合があります)
  • 諸経費(現場管理費・一般管理費等)

このうち、公表データから水準を確認できるのが労務費です。労務費は、防水工の日額(労務単価)と、施工にかかる人数(歩掛り)を掛け合わせて計算します

労務費の水準(公表データから)

国が公共工事の積算に使う「公共工事設計労務単価」には、防水工の日額が47都道府県・年度別に収録されています。工法を問わない防水工全体の単価ですが、費用の一要素として水準を確認できます。

防水工の公共工事設計労務単価 全国平均の推移
010,00020,00030,00040,00050,0002012年度(平成24年度)15,777 円2017年度(平成29年度)22,796 円2021年度(令和3年度)24,779 円2024年度(令和6年度)28,017 円2026年度(令和8年度)30,974 円

出典国土交通省「公共工事設計労務単価」(各年度)(国土交通省の公表データを加工して作成・防水工の日額、47都道府県の単純平均)

47都道府県の単純平均で見ると、右肩上がりに推移しています。年度ごとの内訳・都道府県別の水準は労務単価データベースで確認できます。

大規模修繕全体の中での防水工事の規模

建築系工事の合計金額に占める防水関連工事の割合(全体・n=818)
44.0%防水関連
屋根防水・床防水・シーリング工事 44.0%(44.0%)その他(外壁塗装・タイル・鉄部塗装等) 55.9%(56.0%)

出典令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省・集計対象 n=818)(国土交通省の公表データを加工して作成・建築系工事の内訳(全体)を防水関連3項目とその他に集約)

国土交通省の実態調査(令和3年度・集計対象818件)によると、建築系工事の合計金額のうち、屋根防水・床防水・シーリング工事を合わせた防水関連工事は、全体でおよそ4割を占める構成になっています。詳しい内訳・工事回数別の違いは大規模修繕の実態データにまとめています。

現時点で示せないもの

「労務単価×歩掛り」の理論値がウレタン防水では計算できない理由

参考歩掛り(第9節 防水)に収録されているのはアスファルト系防水とシーリングのみで、ウレタン塗膜防水の歩掛りは含まれていません。そのため、[積算カリキュレータ](/tools/sekisan/)でもウレタン塗膜防水は選択肢に入っていません。データが拡充でき次第、この記事も更新します。

個別の見積もりと比べるときの考え方

具体的な単価表がない中で見積もりを評価するときは、次のような考え方が使えます。

  1. 見積書に数量(面積)と工法・仕様が明記されているか確認する
  2. 材料費・労務費・仮設費・諸経費の内訳が分かれているか確認する(一式表記のみの場合は内訳を尋ねる)
  3. 複数社から同じ仕様条件で見積もりを取り、金額差の理由を確認する

見積書の読み方の詳しい確認項目は、ウレタン防水の見積書・見積もりの取り方にまとめています。

よくある質問

ウレタン防水の㎡単価はいくらですか。

当メディアの一次データ資産には工法別の㎡単価データが含まれていないため、具体的な金額はこの記事では示していません。複数社から見積もりを取り、内訳を比較することをすすめます。

積算カリキュレータでウレタン防水の費用を計算できますか。

現時点では対応していません。カリキュレータが使う参考歩掛り資料(第9節 防水)にウレタン塗膜防水の歩掛りが収録されていないためです。対応しているのはアスファルト系4工法とシーリングです。

防水工事の費用相場を知るにはどうすればいいですか。

公表データからは、労務費の水準(都道府県別・年度別)と、大規模修繕全体に占める防水関連工事のおおよその規模を確認できます。具体的な工事費は、これらを参考にしながら複数社の見積もりを比較して判断する形になります。

LIMITS この記事で扱えない範囲

  • ウレタン塗膜防水固有の㎡単価・歩掛りデータは、当メディアが参照した公共歩掛り資料(第9節 防水)に収録されていないため、この記事では示していません
  • 積算カリキュレータは現時点でアスファルト系4工法とシーリングのみに対応しており、ウレタン塗膜防水の労務費理論値は計算できません
  • この記事で示す労務単価・工事内訳の数値は、公共工事の積算・国の実態調査に基づく参考値であり、個別の見積もり金額を保証するものではありません

書けることだけを並べても判断は早くなりません。この記事が扱えない範囲を先に示しています。

参照した資料

資料国土交通省「公共工事設計労務単価」(各年度)(国土交通省の公表データを加工して作成)

資料令和3年度 マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省・集計対象 n=818)(国土交通省の公表データを加工して作成)

資料公共建築工事積算研究会「参考歩掛り」第2編 建築工事 第9節 防水(RA-27〜RA-31)(アスファルト系防水・シーリングの歩掛りを収録。ウレタン塗膜防水は本節に収録なし)

#ウレタン防水#費用#屋上防水

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