マンション防水工事の費用を抑える方法(足場費用の考え方)
防水工事の見積もりで見落としやすいのが、足場を含む仮設工事の費用です。総工事費に占める割合のデータをもとに、費用の考え方を整理します。
防水工事単独の見積もりを見ていると気づきにくいのが、足場を含む仮設工事が総工事費の2割前後を占めるという事実です。ここではこの割合のデータと、費用の考え方を整理します。
結論: 仮設工事(足場等)は総工事費の約2割
国土交通省の実態調査(令和3年度・n=818)によると、総工事金額に占める仮設工事の割合は、全体平均で22.8%です。
出典国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」(令和3年度・n=818)(総工事金額に対する工事区分の内訳(円グラフ)を加工して作成)
| 回数 | 仮設工事の割合 |
|---|---|
| 1回目 | 25.3% |
| 2回目 | 22.3% |
| 3回目以上 | 19.4% |
| 全体 | 22.8% |
出典国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」(令和3年度)国土交通省公表データを加工して作成。工事金額は消費税相当額を含まない
回数を重ねるほど比率が下がる傾向が見られますが、要因はこの調査からは特定できません。
なぜ足場費用が大きいか(一般的な考え方)
足場は、防水工事だけでなく外壁塗装・シーリング工事・鉄部塗装等、複数の工事で共用されることが一般的です。屋根防水単独で足場を組む場合と、大規模修繕全体の中で足場を計画する場合とでは、同じ足場でも位置づけが異なります。足場の計画は防水工事だけを見ていては決まりません。
大規模修繕の一般的な工程では、足場の設置後にまず下地の調査・補修を行い、その後に防水・塗装・シーリングといった各工事を順番に進め、すべての工事の検査が終わってから足場を解体します。この順序があるため、足場の設置期間は防水工事単独の工期よりも長くなるのが一般的です。仮設工事費の見積もりを確認する際は、防水工事だけの工期ではなく、大規模修繕全体の工程表に対応した期間になっているかを確認してください。
一時的な足場の追加(増し架け)に注意する
工事の途中で、当初計画になかった箇所(ベランダの側面や高所の設備等)への追加対応が必要になり、足場を一時的に組み直す(増し架けする)事態が生じることがあります。この場合、当初の仮設工事費とは別に追加費用が発生します。追加が生じる可能性がある箇所を着工前にできる限り洗い出し、見積もり段階で「追加が生じた場合の単価」まで確認しておくと、工事途中での想定外の費用を減らせます。
費用の考え方を整理する視点
個別の値引き交渉の手法や、特定の業者・発注方法を推奨するものではありません。見積もりを評価するときに確認しておくと役立つ一般的な視点を挙げます。
| 視点 | 確認する内容 |
|---|---|
| 工事のまとめ方 | 防水工事を単独で発注するのか、外壁塗装等を含めた大規模修繕としてまとめて発注するのか |
| 仮設期間 | 見積書に仮設工事の期間(日数)が明記されているか。期間が長いほど費用は積み上がる |
| 他工事との時期 | 直近に外壁塗装等で足場を組んだ実績があるか、次回の計画と時期を合わせられないか |
| 再仮設のリスク | 一度撤去した足場を後日組み直す(再仮設する)事態が生じないよう、工程の見通しが立っているか |
見積書で確認すること
仮設工事費が「一式」とだけ書かれている見積書では、内訳を確認しにくくなります。仮設工事の期間・範囲(足場の設置箇所)が個別に明記されているかを確認してください。数量・単価の記載方法については、見積もりチェックの記事で扱っています。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 仮設工事費の独立記載 | 「一式」ではなく、足場・養生・昇降設備等の項目に分かれているか |
| 設置期間 | 着工から解体までの日数が、大規模修繕全体の工程表と一致しているか |
| 追加発生時の単価 | 増し架け等が生じた場合の追加単価があらかじめ示されているか |
よくある質問
足場代はどのくらいの割合を占めますか。
国土交通省の実態調査(令和3年度)では、仮設工事は総工事金額の平均で22.8%を占めています。回数別では1回目25.3%、2回目22.3%、3回目以上19.4%でした。
足場費用を抑える具体的な方法を教えてください。
個別の値引き交渉や特定の発注テクニックは扱いません。一般的な考え方として、防水工事だけを単独で発注するのではなく、外壁塗装等ほかの工事と時期を合わせて足場を共有する視点が挙げられます。
なぜ足場の話は防水工事の記事で扱うのですか。
屋上防水は多くの場合、外壁塗装等と同じ足場(または昇降設備)を使って施工されます。足場の計画は防水工事単独では決まらず、大規模修繕全体の工程と合わせて検討する必要があるためです。
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LIMITS この記事で扱えない範囲
- 個別の値引き交渉の具体的な手法や、特定の業者・発注方法の推奨は行いません
- 回数を重ねるほど仮設工事の割合が下がる傾向の要因は、この実態調査からは特定できません
- 仮設工事費(足場代)の個別の適正額・相場そのものは扱わず、総工事費に占める割合のデータにとどめています
書けることだけを並べても判断は早くなりません。この記事が扱えない範囲を先に示しています。
参照した資料
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